令和2年度助成先「一般社団法人フリースペース道」

  • 2021年07月15日

1.事業名

フリースクール運営による不登校の子どもたちの居場所づくりと大崎市地域活性プロジェクト

 

2.事業の目的とその背景

①宮城県の不登校の子どもたちが安心して過ごせる居場所づくり

  宮城県内で不登校状態にある小・中・高校生は、学校に通えない負い目や学校・友人・近所の人などの人目を気にするあまり、自己肯定感が失われ、家庭から外に出られないケースが多く見られる。また、家族も相談する相手や場所がみつからず、当事者同様悩み続けている場合が多い。

  「教育機会確保法」の観点から、不登校状態の子どもたちにも学校以外の学習機会の場が必要であり、かつ当事者の自己肯定感を育む居場所が不可欠である。

  現在、宮城県内にはいわゆる「フリースクール」のような居場所はごく少数に限られており、また当事者とその家族がフリースクールに関する情報を入手する機会も少ない。

  以上より、大崎市岩出山にフリースペースを開設・運営し、宮城県の不登校の子どもたちが安心して過ごせる居場所を提供するとともに、不登校問題の解決のための一助を担う。

 

 ②多世代が交流できる居場所づくりと地域活性化

  大崎市は、人口約13万人の宮城県北部の中核都市であるが、大部分が稲作を中心とした農業地帯であり、近年人口流出と少子高齢化が著しい。小・中学校の統廃合も相次いだことで、地域の交流の機会が激減し、子どもたちから高齢者までが集う場が皆無になっている場所も多い。

一方、世界農業遺産に登録された「大崎耕土」をはじめとする高度な農業技術や伝統工芸、厳しい自然と共存するための暮らしなど、長年培われた多様な文化や技術を持った高齢者が多くいる。

 フリースペース道が拠点となり、地域の大人たちがフリースクールに通う子どもたちと交流する場を設け、子どもたちに農業体験や伝統工芸体験を通して自己肯定感を育むと同時に、地域のみなさんがやりがいをもって子どもたちと接する機会をつくる。いわば、多世代交流の場を創ることを目的とする。

 

3.事業の内容

①フリースクールの運営

不登校の子どもたちの居場所づくりとして、フリースクールを開所する。

対象地域は、大崎市内外問わず、宮城県の小学生・中学生・高校生の不登校の子ども。

2020年度は毎週火曜日・金曜日午前10時~午後4時にて開所。

2021年度は毎週月曜日~金曜日午前10時~午後4時にて開所予定。

利用料は月額20,000円(昼食費込み)とする。

実施内容は、来所した子どもたちそれぞれと活動計画を作成、その子がやりたいことを尊重しながら作成を進める。基本はフリースペース内での学習サポート・ゲーム・読書等を行い、時期を定めながら体育 館での運動、大崎市内の公園への遠足、農業体験、伝統工芸体験などを行う。

 

② オンラインフリースクールの運営

新型コロナウイルスの影響により学校の休校期間が続いていること、また不登校生の中で、心身面により来所できない子どもも多数いることを鑑み、Web 会議ツール Zoom を利用したオンラインフリースクー ルを開催する。

内容は、勉強サポートや悩み相談、スタッフとの会話を行う。

基本スタッフと利用者の1対1で対応。

1回の利用は60分。利用回数や利用日時は、双方で話し合って決める。

利用料は月額10,000円とする。

 

③不登校を考える親の会

不登校の子どもをもつ保護者が悩みを相談したり、同じ立場の保護者の話を聞いたりして、不登校の理解と悩みの共有する場をつくることを目的とする。

参加資格は、不登校の子どもをもつ保護者・不登校問題に関心のある方とする。

月に1回開催。参加費は無料。

会場は、フリースペース道または大崎市内の公民館会議室を利用。

また、定期的に不登校問題に関する有識者の講師をお呼びし、講演会を開くことで、大崎市地域に不登校の問題について見識を広げることを目的とする。

 

④「地域図書館」の開催

フリースペース道には、家主さん所蔵の本や漫画本が 5,000冊以上ある。

これらの本を地域のみなさんに活用してほしいという家主さんのご意向を受け、地域図書館を開き、岩出山地域のみなさんの交流の場を提供する。

読書スペースの他にお茶会ができるスペースを設け、参加者が交流できる空間を作る。

運営には、フリースクールに通う子どもたちや、地域の方々にボランティアを依頼。

2020年度は新型コロナウイルスの感染防止のために実施しない。

2021年度に実施予定。開催は原則第2・第4土曜日。

利用費は無料。会場はフリースペース道。

 

⑤「地域食堂」の開催

近年の子どもたちの孤食問題や、一人暮らしの高齢者の諸問題については、大崎市内でも深刻になっている。“食”を通じて世代を越えた交流の場を創るべく、フリースペース道で地域食堂を開催する。

食材は購入の他、大崎市各地から寄付を募る。

運営には、フリースクールの子どもたちや、地域の方々にボランティアを依頼。

2020年度は新型コロナウイルスの感染防止のために実施しない。

2021年度に実施予定。開催は原則第1・第3土曜日。

利用料は、高校生まで無料。大人は1人300円。

 

4.事業実施にあたっての工夫点とその効果

【大崎市広域へのチラシ配布とSNSやメディアを活用したPR】

現状の不登校やフリースクールへの理解不足や『フリースペース道』を多くの人たちに知っていただけるよう、徹底したPRを行いました。

今回の助成金を活用し、不登校やフリースペース道の案内チラシを25,000部発行。大崎市への新聞折込の他、公共施設等への配布をしました。

また、FacebookやTwitterなどのSNSへ活動の様子を常に更新したり、ラジオや新聞への出演・取材を徹底的に行った結果、予想を超えた反響をいただきました。

結果、設立1年目にして会員の子どもたちが10名を超え、様々なご寄付もいただき、初年度の運営を滞りなく完了できました。

 

5.全体的所感、終了しての感想など

前述のとおり、設立1年目にして当初の目標を大きく上回る成果を挙げることができました。

特に、ボランティアや寄附金などのご協力を多数いただき、フリースペース道に通う子どもたちと一緒に多くの活動をすることができました。

また、大崎市で初めて『フリースクールに通った日数を、学校の出席扱い』として認められました。

これは、不登校の当事者や保護者の方にとって大きなことです。

おかげさまで、設立2年目の今年度は、平日月曜日~金曜日の週5回の開所となりました。

今後も不登校の子どもたちが安心して過ごせる居場所として尽力して参ります。

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